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ブルゴーニュワイン(3) ピノ・ノワールを中心とした赤ワインの品種について

プチ・マリアさんのコラム



ブルゴーニュワイン(3)
ピノ・ノワールを中心とした赤ワインの品種について


ブルゴーニュワインと言えば、赤ワイン用のブドウ品種は基本的にピノ・ノワールです。

ボルドーと違って大人しい、よく言えば繊細な味の赤ワインになるようで、食事に合わせるならブルゴーニュの方がオススメという人も多いです。

実際、ブルゴーニュワインのパンフレットを見ると、赤ワインは穴子やウナギ、天ぷらなどにも合うと紹介してあります。

意外なところでは肉じゃがとも合うそうです。

贅沢したい気分なら焼き肉やステーキといった肉の鉄板焼きに合うそうで、あまりソースの濃いものは逆に合わないようですね。


そういうワイン用の品種であるピノ・ノワールは、冷涼な気候でもよく育ちます。

ですから、温暖な気候を好む品種が多いボルドーが不作の年でもブルゴーニュの方は良いとか、その逆とか、そういうこともしばしば起こります。

そもそもフランスと言っても広いので、大西洋側の海に近いボルドーと、ドイツ・スイスに近い内陸部のブルゴーニュでは、気候が大分違います。

また、ブルゴーニュ地方には丘陵地が多いので、同じ村でも丘の上とふもとでは水はけや日当たりが違います。

(前に書いた「特級畑」「一級畑」「それ以外の普通の畑」の違いは、こうした部分も反映されています)

なので、ボルドーワインのヴィンテージごとの出来とブルゴーニュワインのそれとは、基本的に切り離した方がいいでしょう。

ブルゴーニュに近いというか、広義のブルゴーニュワインの一部であるボジョレー・ヌーヴォーの出来は、割と参考になりますが。


さて、このピノ・ノワール。

実は生育環境の影響をとても受けやすいのです。

なので、土壌やその年の気候といったテロワール、更には生産者の腕前次第で、味が大きく変わります。

基本的に早熟な傾向があり、夏が暑いと早く熟しすぎて収穫時期を逃してしまうことすらあるようです。

良い生産者はその付近の観察もしっかりしているので、さほどそういう心配はないですが。

また、ブルゴーニュと言っても南北数百キロにわたるので、例えばある地区では夏に雨や雹が降ったけど別の地区では全く降らなかったということもしばしば起きます。

このほか、地下水の流れや隣の畑との距離・畑の向いている方角(南向きかどうかなど)など、畑ごとの細かい状況もあります。

こうした年ごと・畑ごとの違いを「ミクロクリマ」と言い、この場合は「微気候」と訳する場合が多いようです。

このミクロクリマも、当然ながらピノ・ノワールの生育に影響があります。

これら全てに対応するためには、特に近代以前においては長年の観察と記録が必要でしたが、この地域は中世に入ってからたびたび支配者が入れ替わるなど世俗の権力が安定せず、修道院や教会といった聖職者がワインの醸造を担った一因と思われます。


更に、突然変異や枝変わりなどで派生品種が多いのもピノ・ノワールの特徴で、ピノ・ムニエ、白ワイン向けのブドウ品種のピノ・グリ、更にそのピノ・グリの突然変異と言われるピノ・ブランなどがあり、最近の遺伝子調査ではシャルドネやガメイもピノ・ノワール系の品種だそうです。

これらの派生品種は、シャルドネを除きブルゴーニュワインではあまり育てられていませんが、ピノ・ムニエはブルゴーニュよりさらに北のシャンパーニュ地方でシャンパン用に育てられていますし、ピノ・ブランはアルザスなどでワイン用に育てられているほか、アメリカなどのニューワールドで育てられることも増えてきています。

また、ガメイはブルゴーニュ地方のガメイ村で初めて植えられたそうですが、今ではヌーヴォーで有名なボジョレー地域の唯一の品種で、この地域の花崗岩の土壌によく合っているそうです。

ボジョレー地域はブルゴーニュ地方の南側、リヨンのすぐ北にあり、資料によってはブルゴーニュ地方に含まれていることもありますが、リヨン自体も含めたこの地域の南部はローヌ県にあるという、複雑な地域です。

リヨン自体が、ブルゴーニュを南北に流れるソーヌ川とアルプス起源のローヌ川の合流地点という場所に、カエサルのガリア征服から間がない時期の古代ローマ人によって築かれたので、ブルゴーニュとローヌの境界地帯になるのもやむを得ない部分があるのですが…。


ボジョレー地域のワインはヌーヴォーしか飲んだことがないという人も多いかもしれませんが、ヌーヴォーにも格があり、単なる「ボジョレー」よりも「ボジョレー・ヴィラージュ」の方が上とされています。

更に、ヌーヴォーでなければ「ボジョレー・ヴィラージュ」より格上の「クリュ・ボジョレー」「村名AOC」のものがあり、中には畑名を併記して名乗ることが出来るものもあるのです。

「一級畑」とかいう格付けこそありませんが。

更に、村名AOCには数年程度熟成した方が美味しいものが多く、中には十年以上の長期熟成に耐えるものもあるなど、ガメイと言えば早飲みというイメージが崩れてきています。


なお、最近出来た新AOC「コトー・ブルギニヨン」では、複数品種のブドウのブレンドが認められ、ボジョレー地域のガメイと他地域のピノ・ノワールを混ぜて醸造してもいいことになっています。

ちなみに、「ブルギニヨン」とは「ブルゴーニュ風の」という意味のフランス語で、「ブフ・ブルギニヨン」といえば「牛肉の赤ワイン煮込みブルゴーニュ風」という、この地方の家庭料理になります。

食べた記憶がないので味は分かりませんが、十数年前のNHKのラジオフランス語講座のテキストにも出てきたくらいなので、古くからある代表的な料理のようです。


このように、ガメイがブルゴーニュの品種として認められるようになってきたとは言え、アメリカなどニューワールドの赤ワインでも「ブルゴーニュ系」と紹介してある場合には大抵ピノ・ノワールを使っているくらい、ブルゴーニュワインといえばピノ・ノワールというイメージなので、やはりピノ・ノワールを中心に飲まれることをお勧めします。




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