2025年4月1日より、障害者雇用制度に関する重要な改正が施行され、企業に対して以下の影響が生じます。
特定の業種に適用されていた「除外率」が、一律10%引き下げられます。除外率とは障害者雇用が困難とされる業種において法定雇用率の算定対象から一定割合を除外する制度です。例えば建設業などでは従来20%の除外率が適用されていましたが、これが10%に引き下げられます。 これにより、企業は、これまでより多くの障害者を雇用する義務が生じ、障害者雇用計画の再評価や、採用・配置の戦略を再検討する必要があります。
2024年4月の改正により、週所定労働時間が10~20時間未満の障害者も、法定雇用率の算定対象に含めることが可能となりました。 これにより短時間勤務を希望する障害者の採用が促進され、企業は柔軟な働き方の提供が求められ、労務管理や支援体制の整備が必要となります。
2026年7月には、民間企業の法定雇用率が現行の2.5%から2.7%に引き上げられる予定です。 これにより、早期からの計画的な採用と職場環境の整備が求められます。企業は、 自社の障害者雇用状況を把握し、新たな法定雇用率や除外率に対応するための計画の立案、短時間勤務希望者や多様な障害特性を持つ人材の採用ルートの開拓、 合理的配慮の提供を進め、障害者が働きやすい環境の整備、障害者雇用に関する理解を深めるため、従業員向けの研修や啓発活動が必要になります。
法定雇用率の引き上げによるニーズ増加
特に、就労継続支援に関しては就労支援員などの人員の増加が必要と感じますし、支援員の質の強化が必要になるかと思います。「障害者就労支援士」などの資格取得者についても議論が必要です。就労先が、遠方になる可能性を考えると、オンライン支援も考慮に入れる必要があります。企業が就労継続支援事業所と業務提携し、業務委託契約を結ぶことが期待されます。
法定雇用率の引き上げにより、企業は多様な障害者雇用を模索するため、「就労選択支援」が職種選びや事業所選択において重要な役割を果たすことが期待されます。
・在宅勤務の促進と支援方法の変化
在宅勤務が法定雇用率の対象に含まれることで、在宅就労者が増加します。
・影響
就労支援サービスでは在宅勤務に特化したオンライン面談やチャット支援等、Webツールを活用した支援体制が求められます。ITスキル、リモートワークに必要なコミュニケーション能力の支援が必要となります。法定雇用率を上げていくためには、利用者の一般就労だけで無く、定着支援も重要になってきます。利用者への面談だけで無く、職場適応トレーニング、職場適応援助者との連携等強化が必要です。
障害者雇用の改善には、企業と就労支援サービス、それぞれと連携を変えていくことが必要だと思います。
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