トップ  > メンバー(利用者)ブログ  > 「うつ病」

「うつ病」

  「うつ病」
 
 みなさんうつ病をご存知でしょうか? 多分大体の方が耳にはしたことがあると思います。
 
簡単に言うと精神病の一種です。気分が落ち込んだ状態が長く続くとこういう病気になっていると判断されることがあります。
 
うつ病になる原因は様々です。人間関係での悩み、仕事上での悩み、恋愛の悩み、人生そのものについての悩み等、挙げるとたくさんあります。
 
実は私もうつ病患者の一人です。ですので、ここではまず自分の事について触れていこうと思います。
 
 現在私は40歳になります。現在のうつ病と診断されてもう6〜7年経ったと思います。
 
直接の原因は、以前勤めていた会社で仕事上のストレスと職場内の人間関係です。
 
当時私はある大手銀行のコールセンターで電話受付のオペレーターをしていました。
 
銀行ですので、大きなお金のやりとりをするのですが、ミスは絶対許されませんでした。
 
まあ、どの仕事でもミスは許されませんが、特に銀行はお客様から預金を預かってそれを運用して成り立っている
 
訳ですから、ちょっとしたミスが銀行の信用を落とし、お客様にも多大なる迷惑をかけることになるのです。
 
コールセンターではお客様と電話での会話で定期預金の作成や現金の送金などをします。1円の誤差があってもいけません。
 
勿論、私もミスしないように全身全霊をかけて仕事に取り組んでいました。1本の電話が鳴るたびに、ピリピリした緊張が走り、
 
額から汗がにじみ出て応対していたのです。心の中で、絶対にミスしないぞ!と言い聞かせながら。
 
こんな話をしたら、この仕事、プレッシャーだけでなんの楽しみもないのかな? ただお給料を貰うために仕方なしに
 
働いてたのかな?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
 
でも、やりがいはありました。例えば、電話を頂いたお客様から、300万円を定期に預けたいという電話があったとします。
 
通常ならその金額通りの定期預金作成となる訳です。
 
でも、電話応対をしているオペレーターの態度いかんによって、お客様の態度がいい方にも悪い方にも動くことがままあるのです。
 
私が経験した中で、私の電話応対が良かったから、本当は300万円の預金だったけど、1000万円にしよう!
 
と言って頂き、その上で後日、「あなたの銀行に預金出来て良かった!」と感謝の電話を頂くこともありました。
 
ここにやりがいがありました。モチベーションも当然高くなります。これが自分のお給料に直結する訳ではなかったですが、
 
仕事してお給料を貰うのに加えて、何か目には見えないけどプラスアルファの何かを得ていたような気がしました。
 
だから、「これこそが自分の天職だ!」と思い、当時私はささやかながらも「幸福感」を感じていたと思います。
 
ここまでは良かったのです。その当時自分が現在に至る「うつ病」で悩まされるとは思ってもいませんでした。
 
 コールセンターでは電話でお客様とやりとりするので、ミスをしないという他にも、丁寧な対応やオペレーターの発する音声の質の高さ、1件あたりの電話応対時間の短縮化、事後処理のスピード化など、色々な規定がありました。
 
そのどれか一つでも欠けていると上司から呼ばれて注意を受けるのです。当時勤めていた銀行では、この規定をノルマとして掲げていました。ノルマの達成いかんで、お給料が上がったり下がったりするのです。
 
当然、私自身もこのノルマを強く意識しながら仕事に臨んでいました。人間は自ら進んで動く時、大きな力を発揮しやすいと思いますが、反対に強制されて何かに怯えながら動かなければいけない時、前者よりも数倍もストレスがかかるものだと思いますが、それは私だけの感想ではないでしょう。その厳しい環境の中でみんなつらい思いをして生きている。そんなことは私自身も理解していたはずでした。
 
ある時、上司からノルマについて呼び出しを受けました。ノルマが達成されていないことに対してでした。例えば、音声があまり良くないとか、事後処理のスピードが平均より遅いとかいった内容でした。私はそのノルマを達成するべく懸命に頑張りました。
 
ノルマはコンピューター上に数字で管理されていました。数字が全てです。私は数字と格闘しながら日々を送っていました。
 
そして、いつの間にかに今のうつ病の症状が現れはじめました。
 
最初に出たのが不眠症でした。仕事から帰ってきて、ぐったりとなっているにもかかわらず、就寝時間になってもなかなか寝つけないようになりました。次に、会社へ行く時に心が重く沈んで、体に鉛が入ったような感じで重く感じるようになりました。
 
食事も喉を通らないようになりました。無理に食べると吐いてしまうこともありました。
 
ここで、自分自身が精神的に参っていると自覚し、精神病院へ行こうと決めたのです。
 
当初、病院で軽い睡眠薬と精神安定剤を処方していただき、それを服用しながら仕事をしていました。
 
一時的にこれで仕事を続けていけましたが、会社のノルマを強く意識してか、薬を飲んでも心が落ち着かなくなり、
 
処方して頂いた睡眠薬を飲んでも寝付けなくなりました。会社も頻繁に休むようになり、ますます会社での自分の評価が下がっていったのです。
 
当時、私は契約社員で、1年ごとの更新でした。そして新たに契約更改の時期が迫ったある日、上司から呼び出しを受けました。
 
「次回の契約はない」と告げられました。私にとってこれは死刑宣告(おおげさな表現ですが)のように感じました。
 
ノルマでプレッシャーを受けていたとはいえ、この仕事にやりがいを感じていたので、実際にクビになるとショックはとても大きかったです。
 
これ以降、精神状態はさらに悪化を辿りました。家に引きこもるようになり、薬の量も次第に増えていきました。
 
また、お酒を頻繁に飲むようになり、毎日フラフラとした状態が続きました。
 
その当時はとても働けるような状態ではなかったのですが、早く社会復帰しないといけないというプレッシャーからか、そんな中でも、たまにアルバイトの求人広告を見ては応募していました。
 
アルバイト枠なので、結構採用通知を頂いてました。しかし、上記のような状態でしたので、採用されて1週間ももたずに辞めるということを繰り返してました。私は自分はもうダメな人間になってしまったんだと思うようになりました。
 
医師からはお酒を止めるように強く言われました。私が現在も服用している薬は、お酒を飲むことによって薬の作用が強くなり、体に大きな負担をかけているとのことでした。
 
医師に従ってお酒を止めました。ちなみに私が現在服用している精神薬はミラドール、ソラナックス、ルーラン、などです。
 
あと睡眠薬としてアモバン、ハルシオンを服用しています。
 
気づいたら、たくさんの種類の薬を飲むようになっていたのです。社会復帰はもう無理だな・・・と感じるようになりました。
 
 そんなある日、市役所の福祉課の方から電話があり、「はまゆう」さんを紹介してもらいました。私も最初はなんの施設かさっぱりわかりませんでしたが、なんでも障害者の方の就労を支援する事業をやっておられるとのことでした。
 
私は「障害者なのか・・」と少しショックを受けましたが、実際に薬を多用して外で働くことは出来ないので、そういうことなんだなと受け止めました。
 
そのはまゆうさんで簡単な面接が行われました。うつ病になった原因や現在の体の状態などを話したところ、はまゆうさんから精神障害者の就労支援施設があると説明を受けました。その施設では、簡単な軽作業中心に精神障害者の就労支援を行うとのことでした。
 
施設名は「NPO法人宗像コスモス会」です。実際に見学に行きました。その施設では、お菓子の箱の制作(箱折り)やケーキ作り、ミシンで縫い物をしたり、石鹸作りなどをしていました。箱折りくらいなら自分でもできるかな?と思い、入所を決めました。
 
まず、最初に職員さんが暖かく迎えてくれて、親切に作業手順を教えてくれました。精神障害者を受け入れている施設なので、そこで働いている職員さん(指導員)はみなさんとても親切な人たちばかりでした。同じくそこで働いている障害者の人たち(メンバー)さんもみんな心の優しい人たちでした。私はホッとしました。仕事の内容もあるけど、人間関係で悩まされていた自分にとって、コスモス会での生活はとても安心して過ごせる場所でした。お給料は僅かですが、私を悩ませていた「ノルマ」はありません。自分のペースで仕事が出来るのです。
 
リストラされて以来、家に引きこもった状態だったので、新たに自分の居場所が得られたのは精神的には非常に良い事だと思っています。そこで約1年半過ごしました。精神的にもだいぶん落ち着きが見られ、いずれ社会復帰出来るかもしれないと前向きに考えられるまでになりました。
 
 そんな時、コスモス会で仲良くなった人(その人はコスモス会を卒業して新しい会社に勤務することになりました)から、今度、福岡市内で新しくA型の事業所が出来るからそっちにこないか?と誘われたのです。A型とは正式には就労支援A型のことです。ちなみにコスモス会はB型です。B型は病気の重い方を考慮して、1週間の就労日数が少なく(週4日制)、作業時間も1日4時間と比較的に短めなので、ちょっと体力に自信のない人でも大丈夫です。
 
それに対してA型は社会復帰一歩手前の人のために仕事を提供してくれるところです。
 
週5日制で勤務時間も1日6時間となります。体力的にもB型に比べてきつくなりますが、また時給も大幅にアップすることになります。
 
 そのA型の事業所名は「株式会社 カムラック」です。仕事の内容はパソコンを使ってデータ入力や記事作成、ホームページの更新作業などその他いろいろあります。最初、自分に務まるかどうか不安でしたが、社長をはじめスタッフの方々の暖かい支援のもと、現在はカムラックでパソコンと向き合う仕事に就いています。メンバーさんたちともうちとけて、日々楽しく仕事をしてる毎日です。
 
コールセンター時代にパソコンを扱ってはいましたが、データ入力くらでした。ここでは、データ入力以外にも様々な仕事があります。毎日のようにIT関連の方々が仕事の見学や仕事依頼のために足を運ばれています。新しい仕事に対応する為に、研修(例としてHTML研修)も設けられています。ここでも、コスモス会と同様に「ノルマ」がありません。自分のペースに沿って、自分の出来る範囲で仕事ができます。
 
こうして新たにITの仕事と向き合うことにより、さらに自信がついてきて、うつ病の症状がが徐々に薄らいでいるように感じています。
 
まだ精神安定剤を飲む生活が続きますが、いつかはその薬を飲まなくてもいい日が来るような気がします。
 
 うつ病は心の病ですので、外見上はなかなか見えないものです。ですので他人からは誤解を受けやすいといえます。
 
また、うつ病になる原因は様々ですが、つまるところ、自分の居場所・自分の目的を見失うとこの病院になるのだと感じています。
 
多くのうつ病患者(精神病の方)さんがいらっしゃるとおもいますが、精神病の方でも仕事が出来るんだということを是非知って頂きたいと思います。
 
うつ病の他にも統合失調症や躁鬱病の方もいらっしゃるのですが、薬を服用しながらでも仕事が出来るのだと思ってください。
 
諦めずに生きていれば、コスモス会やカムラックのような会社が受け入れてくれるので、もしこういった病気の方でも諦めずに未来に向かって少しずつでも歩を進めていっていかれることを願っています。
 
 
 
 
カムラックあんしんラボ呉服町事業所では、障がい者の方がパソコンを活用し、ホームページ制作、コンピュータグラフィック、デザイン、データ入力、名刺作成、アプリケーションやソフトウェアの開発・動作確認、施工図作成、ITを活用した手話サービス等、パソコン軽作業から各種プログラム開発まで幅広いお仕事をしています。
 
 
 
 
 
カムラックのホームページはコムログクラウドで作られています。
一般公開するまで無料で使えますので是非触ってみたください。

 

 


上記、移行支援バナーは、移行支援事業所の利用者が制作しました。

総合案内

〒 812-0044

福岡市博多区千代4丁目1-33 西鉄千代県庁口ビル1F

TEL:092-980-1050