トップ  > メンバー(利用者)ブログ  > 透析のことNo.2

透析のことNo.2

「透析のことNo.2」

透析には色々と分からない事がたくさんあります。
今回は前回の記事に出ました「シャント」の事を書きました。

〈シャントって何か?〉

腎臓の機能が悪化してくると尿毒症や心不全となり、そのまま放置しておくと、致命的になる恐れがあります。このように腎臓の機能が低下した場合に行われるのが定期的な(通常は1週間に3回)血液透析です。具体的には、腕の血管に針を刺し、1分間に150〜250mlほどの血液をとり、透析器にて血液を浄化し、再び体内へ戻します。これを5時間続けて行います。しかし、普通に腕の静脈に針を刺すだけでは、そこに流れている血液の量が少ないため、多くても1分間に50mlほどの血液しか得られず、十分な透析治療ができません。逆に腕の動脈には十分な血液が流れており、動脈に針を刺せば透析を回すだけの血液が得られます。しかし、動脈は深いところを走っているために表面から見えず、簡単に刺すことが出来ません。そのため、手術を行い動脈と静脈をつないで、静脈に流れる血液量を多くして、そこから血液をとる方法が開発されました。このつないだ血管をわたしたちはシャントと呼んでいます。
シャントにも種類がありますが私が今までした手術を紹介します、

〈シャントの種類〉

前腕によい動脈と静脈があれば、それらを縫い合わせて作製する自己血管内シャントがもっとも良いものです。一般的にこのシャントは5年後も50%以上の患者さんで使い続けることができます。問題は両側とも前腕によい動脈と静脈がない場合です。この場合はやむをえず人工血管を移植してシャントを作製します。すなわち、どのようなシャントができるかは患者さんの動脈と静脈の質によって違ってきます。ほとんどの場合は術前の診察とエコー検査にて判断できますが、時には手術中に動脈や静脈が悪いことがわかることもあります。そのため、最終的には手術中の血管の所見によって手術術式を決めることとなります。
シャントを作る場合は、まず利き腕ではない腕に作ります。(透析中は穿刺されている腕はほとんど使えません。そのため利き腕にシャントを作ると透析中何かと不便です。)そのため、最初は利き腕でない側の前腕に自己血管内シャントを作り、これが使えなくなったら前腕の人工血管内シャントに変更します。これも使えなくなったら上腕に人工血管内シャントを作ります。上腕のシャントが使えなくなったら、対側の利き腕に移ることとなります。以上は腕についてですが、使用できる血管が腕になくなった場合には鼠径部(脚の付け根)の大腿動脈と静脈を用いてシャントを作ります。この場合は人工血管内シャントとなります。

1.自己血管内シャント

もっとも代表的なシャントです。前腕で橈骨動脈と橈側皮静脈あるいは正中皮静脈と吻合して作るものが一般的です。変法として拇指の付け根で橈骨動脈と橈側皮静脈を吻合するタバチエール内シャントもあります。また肘で上腕動脈と正中皮静脈を吻合して作ることもあります。これらの場合は皮下の静脈に多くの血液が流れ、静脈が太くなります。この静脈を穿刺して透析を行います。このシャントが、通常、もっともつまりにくく、長期間にわたって使うことができます。このシャントの注意点としては、作ってもすぐには使えず、太くなるまで通常2−4週間待つ必要があることです。そのため、腎臓の機能が低下してきたら、あらかじめ、早めに自己血管内シャントを作って、血液透析に備えておくことが大事です。

2.人工血管内シャント

前腕に使用できる表在静脈がない場合、代用血管を皮下に埋め込んで内シャントを作製します。代用血管としてはゴアテックス、ソラテックなどの人工血管が一般的です。ゴアテックスは従来もっとも多く使われた人工血管ですが、手術後3〜4週間は穿刺ができないことが問題でした。ソラテックは1997年に薬事認可されたポリウレタンによる人工血管で、手術後すぐに穿刺ができるため、現在では多用されるようになってきています。透析はこの人工血管を穿刺して行います。人工血管を穿刺すると穴が開いてしまうため、2−3年で荒廃してきます。人工血管への感染も問題になります。また、人工血管と静脈の吻合部が狭くなりやすく、これが閉塞の大きな原因となります。このように、一般的には人工血管内シャントは寿命が短いため、できるだけ作らないようにしています。しかし、前腕に良い静脈がない場合は、やむをえず、作ることになります。
私の場合自己血管内シャントは血管が細いため手術しても1年持ったないこと多いため人工血管内シャントをしています。
シャントがあるため日常生活では気をつけないといけないことがたくさんあります。

〈日常生活で気をつけること〉

血液透析を安全に続けていただくためには、自己管理が何よりも大切になります。
日常生活で自分をコントロールすることができてはじめて、自分らしい透析生活が築いていけるのです。

体重管理

生活や仕事をするのに、いろいろな症状もなく、体調が良いと感じられる適正体重を絶えず維持しておく必要があります。そのために大切なことは、「飲水量」「尿量」ですが食事療法による水分と塩分の管理が重要になってきます。
・1日置いて透析を受ける場合:適正体重の3%
・2日置いて透析を受ける場合:適正体重の5%

シャント管理

毎日、少なくとも朝・夕にシャントの状態を観察し、聴診器や指で当てて血液が流れていることを確認してください。「見て・聞いて・触って」自分の持ち物であることを意識して大事に管理しましょう。
血液の流れが悪かったら通院している病院に電話して、処置をしてもらう。

○シャント音の確認

聴診器をあて、『ザーザー』や『ゴーゴー』という低い音が聞こえるか。いつもより音が弱くないか、いつもと違う『ヒュンヒュン』や『キュンキュン』といった高い音がしていないか確認します。
もし、このような高い音がするようであれば『狭窄』の可能性があります。

○痛み・熱感・傷の確認

内出血はないか、血色不良はないか、皮膚の色はいつもと同じか確認します。

良質なたんぱく質

血液や筋肉を構成する重要な栄養素です。
透析患者さんが必要以上にたんぱく質を摂取するとこの老廃物が身体の中に貯まり、尿素窒素やリン、カリウム値が上昇します。
・たんぱく質:1日に体重1Kgあたり1.2g(50Kgの人は60g)

水分と塩分

塩分を多く取ってしまうと水分が欲しくなり、体重が増加します。
血圧も大切な指標になりますので、決まった時間に測定していきましょう。
・水分:適正体重の3〜5%
・塩分:1日7〜8g以内

カリウム

カリウムは腎臓で排泄され、腎機能が低下してくるとうまく排泄されなくなります。高カリウム血症は、ときに重大な不整脈を引き起こし、死に至ることもあるのでカリウムの摂取は控えていきましょう。

リン

リンの過剰な摂取は、動脈硬化や骨が弱くなる、皮膚の痒みを起こすなどの影響を及ぼします。リンの値をコントロールして合併症を防ぎましょう。

適度な運動

透析に体が慣れてきたら、できるだけ体を動かすよう心がけましょう。
適度な運動は、体力・筋力を維持し、いきいきと生活するためにとても大切です。

内服管理

ご自分が飲んでいる薬の目的をよく理解し、必ず決められた時間に、決められた量を 守って服薬しましょう。

他科受診について

歯科受診や他の病院を受診する際は血液透析治療を行っていることを伝え、内服薬の処方等を考慮してもらいましょう。

〈シャントがダメになる前の処置〉

少し血液の流れが悪くなってもすぐにシャントの作り直しではないかもしれません。流れの調子がおかしなって思ったらすぐに通院している病院に連絡して行って下さい。もしかしたら作り直しをしなくPTAをすればシャントの作り直ししなくてもいいかも。

〈PTA(経皮的血管形成術)何か?〉

PTAとは、シャント血管の狭くなったり、詰まったりした部分に、バルーンカテーテル(カテーテルの先端に小さな風船がついたもの)を使って内側から圧力をかけ、拡張を行う治療のことです。
シャント造影検査を行い、狭窄が見つかった場合に行います。PTAを施行することによって、現在使用しているシャントを長持ちさせることができます。
手術時間も1時間もありませんし全身麻酔を使わないので翌日にはちゃんと仕事に行けます。
私も何回もPTAをやりましたがシャントの作り直しで手術するよりも楽だと思います。

  〈シャントトラブル〉

・シャント狭窄

シャントが狭くなったときの症状、兆候は次のようなものです。
シャント音が弱い、すきま風のような高い音がする、音が短い
スリル(ザワザワした感じ)が弱い
透析時の静脈圧(戻すときの圧)が高くなる
枝がたくさん出てくる
シャント側の腕が腫れるわ
私の場合は朝起きて音の確認をしまして聞こえませんでしたが何回かその用な事があって昼ぐらいには元に戻っていましたから今回もそう思いそのまま仕事に行きました。
仕事が終わって確認したら全然聞こえなくすぐに病院に連絡してシャントを作り直しました^^;
その時看護士さんの先生にも怒られました;^_^A
それから音が弱いなって思ったらすぐに病院に連絡するようになりました。

・シャント閉塞

シャントが詰まったときの症状、兆候は次のようなものです。
シャント音がしない
スリル(ザワザワした感じ)が触れない
シャントのつなぎ目のみドキドキする
シャント血管が硬い、赤い、痛い

・感染

シャントが感染しているときには、痛みと赤みと腫れがあります。
場合によっては白い膿が出ることがあります。
原因は同じ部位を頻回に穿刺したり、シャントを不潔にすると起こります。このような場合、シャントを早く閉じないと大出血や全身感染に移行することもあります。人工血管の場合には一部あるいは全部取り出さなければなりません。もしくは熱が出ます。
私の場合膿が出たり熱が40℃以上が出た事もあります。

など色々な事がありますがちゃんとした知識や自己管理が出来ればシャントも長持ちします。
私も5年近くシャントの作り直しをしていません。
それは少しの変化でも気づいて治療をしたおかげだと思います。
少しでも意識をして早く適切な治療を受けましょう。

 

カムラックあんしんラボ呉服町事業所では、障がい者の方がパソコンを活用し、ホームページ制作、コンピュータグラフィック、デザイン、データ入力、名刺作成、アプリケーションやソフトウェアの開発・動作確認、施工図作成、ITを活用した手話サービス等、パソコン軽作業から各種プログラム開発まで幅広いお仕事をしています。
 
あわせてカムラックは障がい者の働く環境の常識を変え、障がい者の新しい未来創りにチャレンジしています。
 
 
 
新しい検索エンジン
全媒体からニュースを検索
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カムラックのホームページはコムログクラウドで作られています。
一般公開するまで無料で使えますので是非触ってみたください。

 

 

 

 


 

 


上記、移行支援バナーは、移行支援事業所の利用者が制作しました。

ComeLuck県庁前事業所

〒 812-0044

福岡市博多区千代4丁目1-33 西鉄千代県庁口ビル1F

TEL:092-980-1050

FAX:092-980-2436