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社会課題解決のための国策が新たな社会課題を産んでしまっている状況 〜どちらが本来の在り方か、どちらが淘汰されるか〜

選挙が近づいてますね。
議員さんや候補者の方からも障害者就労継続支援についての意見を求められることも増えてきています。

就労継続支援事業は障害者の活躍の場を創造し、保護よりも機会を提供し、一人でも多く日本を支える側の人材を増やしていこうという国の政策です。

そこは健常者でも障害者でも高齢者でも子育てママさんでも流れは同じですね。
一億総活躍というスローガンもありますし。

近年、政府や厚労省はA型事業所に「企業に何人就職させたか」と「事業所の生産活動における外部収入利益>利用者の給与」を評価の大きなポイントと挙げてきています。

そんなの当たり前だろうと疑問をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんが、当たり前じゃない本当の実態も存在します。

そしてこれは労働人口の減少により税収が下がっていくなか、高度経済成長時の様な手厚い社会保障の崩壊が迫ってきているのも背景にあります。

そこで意見を求められたときの回答を用意していますので今日は昨日飛行機の中で書いたものを投稿します。

①就労継続支援事A型事業所のそもそものの「時給」が崩壊している
A型事業所は障害をお持ちの方を社会へ送り出すべく障害者を雇用しながら生産活動を行い就労支援していくところです。
雇用ですので時給なり給料等が当然発生します。
そもそもこの「時給」が崩壊しています。

・時給相当分のお仕事をしていないのに時給が支払われている実態。

・時給相当分のお仕事が出来ないのに時給が支払われている実態。

・給料を支払える分の仕事を受注していないのに給料が支払われている実態。

じゃあなぜ時給が支払われるのかというと、その補完分は事業所に支払われる国からの運営費で補完されているのです。

もちろんこれは法律でNGです。
利用者さんの給料はその事業所で行う生産活動から得た売上の利益から捻出と決められています。
国も当初は片目を瞑っていましたがそれが横行してしまうカタチとなってしまいました。


②A型事業所の「格差」問題
きちんとやっていない事業所もあれば当然きちんとやっている事業所もあります。
問題はきちんとやっている事業所が報われていない状況にあるということ。
これは利用者の人気にも繋がります。

・こっちは一生懸命働いて時給がもらえる。

・あっちは通うだけで時給がもらえる。

・その時給単価は大差ない。

当然後者に人気が出ますよね。
障害者じゃなくてもそう思うと思います。
しかしながらこれは自立の妨げにしかなりませんし実際おかしい話です。
頑張らなくても同じ給与の選択肢があるんですから。
真剣に自立に向けて支援している側からするとたまったもんじゃありません。
もちろん社会進出に向けて努力されている当事者の方もたまったもんじゃありません。
国や納税者が求める「在り方」から大きく外れているのがお分かりでしょう。

逆を言えば国の求めることと障害者のニーズがマッチしていないということでもあり、ここはここで別途突き詰めていく必要性があります。

③これが「当たり前?」ニューベーシックインカムの就労継続支援事業

・事業者は障害者を囲い込むと国から運営費がもらえる

・利用者は事業所に通うだけでお金がもらえる

・ニューベーシックインカム的な就労継続支援事業?

障害者や生活貧困者は障害年金や生活保護という社会補償が提供されています。
その財源を支えるのは私達納税者です。
しかしながら障害年金や生活保護は法律ですので私達も納得して納税しています。
しかし、先ほどの時給の崩壊の話や事業所格差の話のように、実は障害者就労継続支援という名を借りた隠れたベーシックインカムが存在しているという事実を知っていただきたい。


ということで、質問に回答する際はこの業界や制度は総じておかしいとお話しています。
まだまだ実態は書き足らないですが、なんとかこの状況を変えなければ、障害者の方も事業者の方も頑張っている方が報われない世の中になってしまっています。

私は事業所を見ればそこがきちんとした事業所なのか、搾取モデルの事業所なのかすぐわかります。
一般企業の経営者もわかると思います。
この仕事、この作業内容でどうやって最低賃金以上の給料が払えるの?って思っちゃいますよ。
なので経営者の方はどんどん事業所を見に行って欲しいです。
 

これまで支援記録ばかりチェックして来た自治体も問題でした。
これからは経営状況全般が見れる実地指導を強化していただきたい。

いずれにせよ社会課題解決のための国策が新たな社会課題を産んでしまっている状況を少しでも知ってもらえればと思い投稿いたします。

どちらが当たり前か、どちらが淘汰されるか、よく考えたらわかることです。
間違いなく以降これは長くは続きませんし続けてはいけない。
 


 

 


上記、移行支援バナーは、移行支援事業所の利用者が制作しました。

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